白波瀬小児科

草津市野村の小児科 白波瀬小児科

〒525-0027 滋賀県草津市野村8丁目9-37
TEL 077-561-0880

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診察室便り

2022/7/8
 新型コロナウイルス感染症の発症者数が増加に転じています。 発熱で来院された場合、経過をよく聞いてから、必要と判断した場合には、主に新型コロナウイルスの抗原定性検査(いわゆる迅速検査、また簡易検査と呼ばれることもあります)を実施していますが、確かに、ウイルスの検出される率が高まっています。 

 「コロナウイルスのPCR検査をしてほしい。」と言って来院されることがありますが、現在、当院では症状のない方の検査は原則実施していません。 また、PCR検査は、当院では検査会社に提出することになるため、その結果が翌日ないし2日後になってしまいます。 抗原定性検査は精度ではPCR検査より少し劣りますが、15分程度で結果が得られ、その精度も以前より良くなっており、実戦的です。 (多くの病院や一部の診療所では、院内でPCR検査ができたり、それと同等の検査機器を備えて、数時間で結果の得られるところもあります。)

 抗原定性検査でウイルスが検出された場合は、他人に感染する程度にウイルスが活動している状態と判断しています。 ウイルスの反応が出なかった場合は、感染していない場合と、まだウイルス量が少なくて反応しない場合があるので、感染していないと判断することはできません。 理解しにくいかもしれませんが、検査で陽性(反応あり)の場合は感染していると判定できますが、陰性(反応なし)の場合は判定できない(感染していないとは言えない)ということになります。

 実際、新型コロナウイルス発症者の濃厚接触者で、咽頭痛と微熱(37度後半)があるとして来院されて、PCR検査を実施しても陰性だったのに、その2日後に38度台になって再来されたときには抗原定性検査で感染が確認できた場合もあります。 PCR検査であっても、感染していないという確実な判定は困難と考えておくほうがよい思います。 (しばしば「PCR検査で陰性証明」といわれていますが、個人的には疑問を持っています。)
 
 また、家族に発熱者が出た場合、「発熱者にPCR検査をして陰性を確認しないと会社に行けない。」と話される場合があります。 PCR検査であっても感染していないことの証明は不確実であること、 検査結果がすぐに得られないこと、 その発熱者がたとえPCR検査でウイルスの検出がなかったとしても通勤する本人の陰性証明には全くならないこと、 などの理由から、 不用意にPCR検査を実施しても役に立ちません。 それぞれの体調を見極めることが大切です。 さらに、無症状の感染者もいることまで考えると、検査をどう利用するのがよいか、とても悩ましいです。 なにより、体調変化を感じたらまず休養を取ることが大切です。 そして、病院や診療所を受診した時には、症状経過や周囲の状況ををしっかり聞き取ってもらい、検査のするタイミングを相談し、抗原定性検査とPCR検査をうまく使い分けてもらいましょう。


2022/5/25
 新型コロナウイルスワクチンについては、当院では、5歳から11歳の対象者だけについて接種の受付をしています。(接種間違いが起こらないようにするため、12歳以上の接種については実施していません。) ワクチンへの不安を持たれている方は多いと思いますが、その効果と副作用などについて、相談し、納得されてから接種されることを勧めています。 また、ワクチン接種のできる日が限られているため、接種可能日を確認してから予定を組まれることをお願いしています。
 滋賀県では、新型コロナウイルス感染症の発症者数が横ばいになっている印象があります。 現在の流行株の症状が比較的穏やかなこと、発症した時の対応法が以前よりよくわかってきたこと、社会的にも感染予防対策が緩和されてきたこと、などから、少し慣れてきた、少し対策につかれてきた、あるいは対策に飽きてきた、といった気配を感じる時があります。適切なマスクの着用、人と接するときのマナー、手洗い、うがい、睡眠と朝食をしっかりとる、など、基本の対策は忘れないようにと願っています。


 今年(2022年)4月から、ヒトパピロマウイルスワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の積極的勧奨が再開されました。 小学6年生から高校1年生が接種対象となります。 3回の接種が必要で、接種の完了には6か月程度かかります。中学生の間に接種を開始することが勧めらえれます。 遅くとも高校1年になったら開始すると、公費での接種を完了することができます。 
 子宮頸がんで亡くなられる方は、年間2800人程度というデータがあります。 ワクチン接種をしていると、6~7割の方に効果があるとされています。 接種後のつらい副作用についての報道などで、接種を躊躇されている方はまだ多いと思います。 統計上は因果関係が乏しいといわれていても不安が残るのも実際だと思います。 しかし、その効果についてもしっかりと知っていただけたらと思います。 悩まれているご家庭の方は、積極的にかかりつけ医と相談されたらいかがでしょうか。 当院にも、最近は問い合わせが増えてきています。 接種される方も増えてきました。 定期接種として用いることのできるワクチンが2種類あること、定期接種としては採用されていないので自費にはなりますが、新しく認可されたワクチンのあることなども、聞いておかれるとよいと思います。 もちろん、効果と副作用についても相談しておきましょう。 
 また、積極的勧奨がなされていなかった期間に、ヒトパピロマウイルスワクチンの定期接種としての対象年齢から外れてしまった方には3年間に限って、接種対象期間の延長がされます。 接種対象期間を過ぎてから自費で接種された方については、費用が補填される場合もあります。 期間延長や補填の対象になるかどうかなども、相談されるとよいでしょう。


2022/3/16
 5歳から11歳の幼児・学童への新型コロナウイルスワクチン接種が始まります。 草津市栗東市では集団接種を中心に、一部の診療所でも個別接種を実施します。 集団接種の予定や接種可能の診療所については草津市栗東市のホームページにも掲載されています。
 小児用のワクチンは、1バイアルで10人の接種が可能になります。 ワクチンの未使用での廃棄をできるだけ少なくするために、10人単位で予約を受け付けることになります。 診療所ごとに接種日や時間帯が限られることになります。 平日の午前中にしか時間帯を設定できないこともあるので、学校や幼稚園を休んだり、遅刻することになったりもしますが、診療所での個別接種を希望されるばあいは、ご理解をお願いいたします。
 当院では、これまでに当院でワクチン接種を受けた回数が少ない方については、午前中の接種でお願いすることになります。 ワクチン接種後の反応に関する日本での情報がまだ少ないので、少しでも安全に接種するためです。
 
 今のところ、ワクチンの副反応の種類については12歳以上と同じで、頻度的にはわずかに少ないようなデータが公表されています。 ワクチンの有効成分が12歳以上の3分の1のため、といった説明もされていますが、今後のデータの蓄積を待つ必要があります。
 現在の流行の主流となっているオミクロン株については、子どもでの症状は比較的軽く、多くの場合には通常の風邪と同じような経過で軽快しています。 このため、ワクチンの副反応のほうが気になると思います。 医師としての立場からは、個人の防衛とともに、地域での流行も考えるため、ワクチン接種を勧めます。(このためには、より有効でかつ安全性の高いワクチンの登場を願っています。) しかし、それぞれの家庭においては、子どもたちの個人防衛(個人免疫)を中心に考えてよいと思っています。 行政は接種を勧奨しますが、あくまでも任意接種であり、接種をするかどうかは各家庭の判断にゆだねられます。 ただ、高齢の方と同居していたり接する機会が多い場合、家庭に乳児や妊娠中の女性がいらっしゃる場合、新型コロナ感染症にかかると重症になりやすい状態にあるかたがいらっしゃる場合、などについては、その方々への感染確率を減らすためにもワクチン接種を考えてもよいのではと思っています。

 従来のワクチンも含めて、ワクチンに関しては様々な意見があり、賛否ともどもあります。 この不安な状況においては仕方のないところです。 せめて、お互いの意見を尊重し、お互いを認め合い、お互いにどちらかを強制したり非難をすることがないように、願っています。


2022/1/19
 新型コロナウイルスのオミクロン株が急速に流行拡大しています。 各地で新規患者数が過去最大を更新しています。 小学校や幼稚園・こども園・保育園でも、次々と感染者の報告があります。 保健所による状況や疫学の調査がおこなわれていますが、流行拡大に追いつけない状態になろうとしています。 
 オミクロン株の感染では以前より症状が軽いという情報があり、実際に重症者の割合は少なくて済んでいいますが、基礎疾患のある人や2歳未満では重症化する可能性があります。 内服薬も登場しましたが、18歳以上でかつ、重症化が予想される場合にしか用いることはできません。 まだすべての人に用いることはできないので、やはり感染しないように予防することが最も大切です。
  
 5歳から11歳の幼児・学童への新型コロナウイルスワクチンが3月から始まろうとしています。
本日、日本小児科医会と日本小児科学会からワクチンに関する提言が発表されました。 オミクロン株への発症予防の効果についてはまだ情報がそろっていないので、重症化予防のつもりで接種しましょう、個人の免疫をしっかり獲得しましょうという内容に聞き取れました。
 海外で実施された、この年齢への接種後の副作用データも話されていました。 心筋炎などの重い症状が出ることもあるが回復しており、全体としては、副作用の率は成人への接種後よりも低いようです。 ただ、現行の乳幼児の定期接種後よりは有害事象の出る率が高いので、ワクチンの効果をよく理解して接種しましょうとも、話されていました。


2021/12/12
 新型コロナウイルスのオミクロン株が登場しました。 情報がまだ不十分で、今後の状況をふくめた再検討の必要があるともいわれていますが、今のところ、感染力は強いが、重症度はデルタ株より低そうといわれています。
 感染力が強いということは、流行しだすとこれまでより感染者数が増えて大きな第6波になるかもしれません。
 新型コロナウイルス流行が終焉に向かうという楽観的な観測もありますが、冷静に現実を見ていくことが大切と思います。
 マスクの有効性についてはいろいろな意見があり、その統計的解析も困難ではあるものの、流行国との違いの一つとしてマスク着用の差は目に見えています。 今まで通りの感染予防対策として、マスク、手洗い、十分な睡眠、朝食、ストレスの軽減、人と接触するときのマナーなどに気配りしていきたいです。

 インフルエンザの流行も今のところ日本では目立ちません。 ワクチンの供給が遅く、接種をあきらめられた方もあるのではないかと思います。 昨シーズンと同様に流行期に入ることなく過ぎればよいのですが、例年なら流行のピークが1月から3月にあります。予想するよりも実際の変化を見まもり、感染予防対策を続けていきたいと考えます。

 おたふくかぜワクチンと日本脳炎ワクチンの供給が再開されはじめました。 まだ供給数は十分ではありませんが、どうぞご相談ください。

2021/11/10
 新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が、予想以上におちついていて、日常生活に安心感が出始めていましす。 長らく帰省ができておらずさみしい思いをされていたり、大事な予定を延期されていた方々が、今の落ち着いた状態のうちにと、様々に活動を再開されていることと思います。 ただ、今週になってじわじわと、前週より感染者数の増え始めた地域が散見され始めました。 日本全体としての感染者数は減少しているようにも見えますが、第6波の兆しの可能性もあります。 COVID-19が消えたわけではありませんので、情報をよく見て、感染対策の気持ちを維持しながら、行動をしていただけたらと願っています。

 今シーズンのインフルエンザの流行についてもいろいろな予想があって、どの情報を信じてよいのか迷われていることと思います。 ワクチンの流通量が2,3割少なく、流通のスピードが遅いなどの情報も、不安を助長しているように感じています。 南半球の流行状況が北半球の流行の予想に役立つという意見があります。 今シーズン、オーストラリアでは大きな流行がなく、そのことは安心材料です。 一方、最近のアジア地域ではB型インフルエンザの流行している地域や、A型とB型の両方が流行し始めている地域のあることがすでに報告されています。 
 自然現象が過去のデータ通りに繰り返されるとは限らないので、インフルエンザに対しても、流行することを前提に、備えあれば憂いなし、としておくのが現実的かと考えています。

 睡眠と朝食をしっかりと取り、さらにストレスの発散を図って、感染症に対する免疫力をしっかり維持していけるようにしていただきたいと思います。
 
2021/10/3
 新型コロナウイルス(COVID-19)の流行による緊急事態宣言は取り下げられましたが、次の流行の波がやってくる可能性が残されています。 これまでのデータからは、ひとつの波が静まったように見えてから10日から20日程度で再び感染者数の増加が始まっています。 10月中旬には第6波の始まることも考えられます。 
 
 COVID-19のワクチン接種を済ませていても、感染してしまうことがあるのは、これまでの他のワクチンと同様です。 インフルエンザワクチンを思い浮かべたら、わかるのではないでしょうか。 COVID-19ワクチンはmRNAワクチンというこれまでになかったタイプのワクチンで、以前から研究をされていましたが、実際に用いられるのは今回が初めてになりました。 体に入って初めに起こる反応(体の中で抗原になる蛋白部分を作る)が新しいところですが、そのあとに続く、ウイルスに対する免疫ができるまでの反応はこれまでのワクチンと同じと考えてよいでしょう。 このため、ワクチン接種後の効果についてもこれまでのワクチンと同じように考えることができます。 したがって、残念ながら、100%の感染や発症の予防はできません。 しかし、個人としては発症や重症化を予防する可能性があり、集団としては感染の拡大を防ぐ可能性があります。  
 当院では、少数ではありますがCOVID-19ワクチンの個別接種を実施してきました。 少しでも、集団防衛(集団免疫)にも役立てたらと考えています。 

 COVID-19ワクチンの製品の都合上、ワクチンを無駄にしないためには数人単位でまとまって接種する必要があります。 このため接種日時を当院から指定させていただいていました。 一人用のワクチン製品ができ、アナフィラキシーショックなどの重大な副作用の極力少ないワクチンが登場すれば、希望される方に、できるだけ希望に沿った日時での個別の接種をできると、期待しているところです。
  ワクチン(COVID-19ワクチンに限らず)についての考えは人それぞれで、医師の中でもいろんな考えがあります。 当院では、個別接種にも参加しているように、基本的には接種を勧めています。 
 
 最も大切なことは、日常の感染症に対する意識と対策をもち続けることです。 
 自分や家族の体調がいつもと違うときには、積極的に休養が取れるような社会になってほしいです。 個人の生活と集団の生活の 両方が安全であってほしいと願っています



2021/9/1
 新型コロナウイルス感染症の第5波は今までで一番大きな波で、自宅療養や入院を自宅待機している感染者が増えています。 変異ウイルスのためにワクチンによる発症予防効果が低下したり、10歳以下の子供たちの感染しやすさが増しており、コロナウイルスの足音がすぐそこまで迫ってきています。
 
 こども園、保育園、学校などでの感染者があちこちであり、急な休園や休校で、慌てて対応を迫られる家庭も多くなっています。 こどもたちが濃厚接触者に相当するんじゃないか、濃厚接触者といわれなかったら感染の恐れはないのか、など、不安が多いことと思います。 さらに、いつもより体温が高かったり、咳が出ていたり、こどもたちに何らかのいつもと違うことがあると、不安はさらに大きくなることでしょう。 また、同居の方の働き先から、コロナウイルスにかかっていないことを確かめて来いといわれて困っておられる家庭も多いと思います。
 いま症状がなくても、なんらかの体調の変化が表れ始めていても、睡眠と栄養をしっかりとり、ストレスをためないようにし、感染対策をつづけ、体調がどう変わるか見守りましょう。 しっかり休養を取ることで2,3日以内で軽快したときには、いつもの風邪のことが多いです。

 症状がはっきりしないうちに検査を受けて陰性だったとしても、コロナウイルスに感染していない根拠にはなりません。 もちろん、なんらかの症状があるときに、検査で陰性だったとしても、コロナウイルス感染を否定できません。
 自分は感染しない、自分は感染していない、などと勝手には決めつけないようにしましょう。 いつもと違う体調があって心配なときや、経過が思わしくないときには、かかりつけ医にも相談することを考えてください。 どのような時には受診するべきか、どのような時には検査を受けるべきか、どのような時には救急受診するべきかなど、しっかりと尋ねておくことが大切と思います。


2021/7/22
 東京オリンピック2020が開幕しました。 賛否両論はあったものの、オリンピックに向けて研鑽・努力をされてきた選手の方々には、また、その活躍ぶりの観覧を楽しみにしていた方々にとっては、待ちに待った3週間となることでしょう。 無観客となったことは残念ですが、新型コロナウイルスの感染拡大や、変異型のコロナウイルスの急拡大をできるだけ小さくするためには必要な対策と思います。 気の緩んだ行動がすでに報道されていますが、参加者・関係者全体で、感染予防対策をしっかり守っていただけることを願っています。 後日、今回の大会についての検証と評価がなされると思います。

 コロナウイルスワクチン供給の不透明さから、ワクチン接種の実施スピードに影響は出ていますが、接種が着実に進んでいることも事実です。 ワクチンに関する有害事象の報道、ワクチンを輸入に頼っていること、変異ウイルスの登場などなどで、不安を感じながら接種を受けられる方、接種自体を受けない方もいらっしゃることでしょう。 有害事象のまったくないワクチンというのは不可能ですが、できるだけ多くの人が安心感をもって接種を受けることのできるワクチンの登場が待ち遠しいです。 治療薬の開発も期待されています。2種類の合成ウイルス抗体をもちいた注射薬が新たに認可されましたが、一般の外来で用いることのできる内服薬の開発が成功することを強く願っています。

 現状では、感染予防対策をとることが最も有効です。 ワクチン接種を済ませた方も感染予防対策を続ける必要があります。 ただ、厳しい対策をとりすぎて、気持ちがなえてくることもあります。 時には感染予防対策を意識しながらの、安全そうな場所への外出や気分転換も考えてください。 

 しばしば感じることですが、その時期に話題になっている感染症だけを心配される方があります。 人に感染症を起こす可能性のあるウイルスや細菌などはとてもたくさんあります。 一般の外来で原因を特定できるものはそのうちのごくごく一部です。 ワクチンで対応できるものはさらにその一部です。 常にいろいろな原因のあることをを忘れないでほしいです。
 体調をよくみて、症状が重くらないようにして、ひとつづつ乗り越えることが大切と考えます。 感染症にかからず一生を過ごせる人は奇跡的です。 風邪にかかっても、がっかりするのではなく、新たな免疫を手に入れることができたと、上手に乗り切りたいものです。 また、風邪をひいてしまった時には、周囲にひろげないことも大切です。 自分の予定も大切ですが、周りの人にもそれぞれに予定や仕事があります。 お互いに、お互いを気遣うようにしていただきたいと思います。


2021/6/23
 新型コロナワクチンの接種が拡大してきています。 7月中には、草津市からは16歳から64歳の市民全員に接種のためのクーポンが送付されることになっています。 基礎疾患のある方、年齢の高い方から、ワクチンの予約を取れるように計画されています。 ファイザー社のワクチンは12歳からの接種が認められているので、その年齢の範囲の市民にもいずれはクーポンが送られると思いますが、まだ具体的にはなっていません。

 ワクチンの効果が高いことはすでに知られています。 一方、ワクチンの有害事象・副反応に関する様々な情報も出回っています。 有害事象が心配なため、あるいは接種しなかった生徒への偏見や差別が心配などの理由で、学校での集団接種を勧めないという話も出ています。
 ワクチン接種を希望する若年者が安心してワクチンを接種できる体制がとても大切です。
 草津市の集団接種会場には、救急担当医が待機していますので、また、予診にあたっている医師も複数いるので、意外と安全といえます。 また、複数の医師が常駐する病院での個別接種(近江草津徳洲会病院などでは実施されています)なら、緊急時にも安心感があります。

 ワクチンによる集団免疫(感染者が発生しても周囲に感染が拡大しにくい状態)が成立して、コロナウイルス感染症の発生が抑え込まれることが理想ですが、現状のワクチン接種の状態からはまだまだ困難です。 まずは、自分自身の防御力を高める目的での個人免疫を手に入れるのがよいのではないかと考えています。

 ワクチンの効果とワクチンの副反応の、どちらを重視するのかは悩ましい問題です。 迷っているときには、かかりつけの先生と相談されることも考えてみてください。

2021/5/16
 5月15日に、新型コロナウイルスワクチンの集団接種に出動してきました。 草津市役所の大会議室での集団接種会場で、問診を担当しました。 当日は400名弱の方が来場され接種を受けられました。 接種待ちのところのスペースが限られており、問診をとめてスペースが空くのを待つ必要がありましたが、おおむねスムーズに進行していました。
 5月16日からは、ワクチン接種の1回目と2回目の方が合わさるので、来場者が増えて少し進行が遅れる可能性もありますが、ご協力をよろしくお願いいたします。

 コロナワクチンについては、接種後のアナフィラキシーという強いアレルギー反応が心配されています。 集団接種の会場では、急な症状に対して、病院の救急担当医が会場で待機しています。 体調の変化を感じたときは直ちに対応できるように準備がされていますので、不安はかなり減少できると思います。
 接種前の不安は問診医に質問し、接種後の不安な症状には、すぐにスタッフに声をかけてください。 また、周囲に具合の悪そうな方を見かけたら、スタッフに教えてください。 速やかに、救急担当医が対応します。

 新型コロナウイルス感染症やワクチンについても、様々な情報をインターネットから入手できます。 インターネットの情報や書き込みには、正確なものも、正確でないものも、善意からのものも、良くない意図のあるものも入り混じっています。 見分けることはとても難しい、というより不可能かもしれません。 それでも、情報源としてのインターネットの迅速性と重要性は、現在社会では欠かせません。 一般的に人は、気を引く情報にばかり目を引きつけられ、自分に不都合な意見には目が自然と閉ざされる傾向があるようです。 自分なりの選択方法を磨いていく必要がありそうです。 匿名での情報が必要なこともありますが、多くの場合は実名での情報のほうが信用できるように思っています。

 最近では、従来のウイルスとは遺伝子の変異したコロナウイルスによる感染が話題になっています。 感染力や症状に変化があります。 しかし、実験室レベルからの報告ですが、現在のワクチンを2回接種することで、2回目接種の1週間後には、変異型ウイルスへも含めて、90%以上の人に有効な免疫(中和抗体)ができたという報告がありました。 
 コロナウイルスにかかってしまうことも、ワクチンによる副反応も、どちらも怖いという気持ちはよくわかります。 そのうえで、私たちは、ワクチンを受けるかどうかの決断をする必要があります。 ワクチンを受ける、受けない、どちらの決断をしたとしても、日常の「ウイルスをもらわない、もし感染してもひとにはうつさない」、という気持ちと行動を持ち続けることが大切とおもいます。
 私は5月16日に、医療従事者として、1回目のワクチン接種をうけてきました。 接種部位の違和感が少しありますが、動かすことに不自由はありません(副反応は若い人のほうが強いといわれているので、私の年齢では少ないのかもしれませんが)。 2回目の接種の後のほうが反応が強く出るという情報があるので、3週後に2回目を受けた後がどうなるのかと気にはなりますが、接種をうける予定をしています。


2021/4/21
 4月25日(日曜日)から、高齢者のコロナワクチンの優先接種が始まります。
 各市町へのワクチンの供給量は、高齢者率などをもとに調整されているため、すぐに全員が接種できるだけのワクチン量が、草津市や栗東市に配分されるわけではありません。 初めは配分量が少ないため、第一陣のワクチンの予約は瞬く間に終了してしまいました。 今後は、配分量が増える見通しですが、しばらくは予約の取りにくい状態が続くと予想されています。

 また、インターネットでのWEB予約が殺到したため、電話での予約しかできない方には不自由が生じたようです。 行政は、電話予約が中心になる日も設定しようと計画していますが、その日はWEB予約を控えてもらうように市民の協力が必要と聞いています。 行政の呼びかけにはできるだけの協力をお願いいたします。

 日本脳炎ワクチンと おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンの不足が生じています。 ワクチンの製造が見直されていて、元通りの流通が再開するのは、日本脳炎ワクチンが12月以降、おたふくかぜワクチンは11月以降になりそうです。
 このため、日本脳炎ワクチンについては1回目と2回目の接種の対象者が優先されます。3回目(追加)ワクチンは2回目のおよそ1年後が目安とされていますが、しばらく待っていただくことになります。接種間隔も大切ではありますが、接種回数を守ることがそれ以上に大切なため、間隔が予定より開くことがあっても、流通が再開されてから3回目の接種を受ければ、その効果を心配することはありません。
 おたふくかぜワクチンは、任意接接種で費用のかかるワクチンです。生ワクチンですが、最近では4,5年を開けての2回の接種することが勧められています。 1回目を接種することがまず大切です。 このため、1回も接種していない対象者を優先しています。 2回目をすることで感染防御力を長く維持できます。 流通が再開してから2回目の接種を計画していただきたいです。
 日本脳炎は蚊が運んでくる感染症で日本国内では1年間で数人の発症があります。 滋賀県での発症は最近はありませんが、蚊のシーズンには、虫よけ対策が望まれます。
 おたふくかぜは飛沫感染が主な感染経路です。 マスク、手洗い、うがいで感染の確率を下げることができます。

 新型コロナ感染症対策として、マスク、手洗い、うがいが積極的にされていて、距離を置く対策も取られていることで、通常の感染症もかなり抑え込まれています。
 しかし、最近、RSウイルスによると考えられる、喘鳴を伴う風邪が流行っているように感じています。 また、ノロウイルスによる胃腸風邪も散見されています。
 マスク、手洗い、うがいの積極的にできにくい、3歳くらいまでの子どもたちにうつりやすくなっている印象があります。
 子どもたちの体調が思わしくないとき、まずは家庭での様子観察が大切ですが、改善が乏しいとき、表情の悪いとき、呼吸が苦しそうなとき、水分摂取のうまくすすまないときなどは、医療機関に受診をするようにしてほしいです。

2021/3/24
 草津市・栗東市の高齢者のコロナワクチン優先接種は4月の後半から実施される予定です。 まず集団接種ではじまります。 持病があったり、ワクチン接種に不安がある場合は、かかりつけの先生としっかりお話しをされてから、集団接種に向かわれることを薦めています。 ワクチンの供給が十分に行きわたるようになり、有害事象の少ないことが知れるようになれば、かかりつけの診療所での個別接種も開始される予定です。

 新型コロナウイルス感染症については、緊急事態宣言やいろいろな制限が解除されてから、感染者数がまた微妙に増えそうな気配です。 滋賀県では緊急事態宣言が出されませんでしたが、感染者数は横ばいの状態です。 このまま、大きな流行にならずに維持するためには、ワクチン接種が順調に進むことも大切ですが、人々の気のゆるみが一番怖いように感じています。

 ただ、普段と異なる生活環境のために、普段通りの生活や生活リズムができないと、こころの健康がそこなわれることがあります。 3密は避けながら、適度な気分転換や外出をして、いつもと同じリズムを維持できるようにして、こころの健康にも気配りをお願いします。

2021/2/17
 いよいよ、新型コロナワクチンの接種が始まりました。 まずは医療施設の関係者からで、次いで65歳以上の高齢者、基礎疾患のある方々、一般の方々へと広がっていきます。 今のところ、16歳未満への接種については検討中です。  医療関係者への先行接種の希望者は4万人程度で、2万人程度に接種後の追跡調査がなされると報道されています。 遺伝子(mRNA)を用いたワクチンの実用化は今回が初めてなので、情報がさまざまです。 有効性に大きな期待がなされる一方、効果と副反応の実際についての不安も語られています。 接種するかどうかを迷っている場合は、まずは先行接種にたいする情報をみて、その結果から考えてみるのが現実的かと考えます。

 新型コロナウイルス感染症をなくすことは困難ですが、流行が起こらないようにすることは、集団免疫(集団の中の多くの人がそのウイルに対する免疫力を持つこと)で可能になると考えられています。 多くの人が免疫力を持つためには、多くの人がその感染症にかかってしまうか、ワクチン接種によって感染症が発症する前に免疫力を手に入れることが必要です。 重い症状を起こしやすい感染症については、ワクチン接種による免疫力の獲得が望まれます。 それだけに、ワクチンの安全性と高い効果が欠かせません。

 新型コロナワクチン接種の最終目標は、集団免疫の獲得です。 しかし、多くの人々にワクチン接種を完了するには、かなり時間のかかります。 まずは個人個人がワクチン接種をして、多くの人が個人免疫を得ることが大切です。 その個人免疫の積み重ねが集団免疫につながります。 一人一人の安心が多くの人の安心につながります。 ワクチン接種については未知なことがまだまだあるため、接種には迷いがあるとは思いますが、いろいろな情報に耳を傾け、接種するかどうかの判断をしていただきたいと思います。 
 受診されたときに、ワクチンについての質問があれば、遠慮なくお聞きください。わかる範囲で、にはなりますが、相談に乗りたいと考えています。

2021/1/3
 2020年の間には、新型コロナウイルス感染症の流行のおさまる気配はありませんでした。
 この話題が出たときに気になることは、「流行のおさまる」というのはどういう状態を意味しているのか、ということです。 市中やメディアや行政など、それぞれが違う意味で話をしているように見えます。 そこに登場する医療関係者もそれぞれの使い方をしていて、一貫した意味で話をされていないように見えます。 新型コロナウイルス感染症に罹患する人がいなくなることを意味するのか、罹患する人はいなくならないが医療体制が崩壊しないようにコントロールされていたらよいということを意味しているのか。 いずれの意味を目標とするのかで、私たちの取るべき行動はきまってくるように思います。 
 しかし、感染症と生活を含めた社会全体のことを考えて、社会全体がうまくいくようにするためには一つの意味に特定することができないのかもしれません。 また、新型コロナウイルスは世界中での問題のため、なおさら難しくなっています。 

 私たちのできることは、油断することも慎重になりすぎることもなく、新型コロナウイルスを正しく恐れて行動することだと考えます。
 滋賀県でも新規感染者が毎日20人台で続いています。新型コロナウイルスについての情報が次々に得られているのに、まだ情報がわずかしかなかったときよりも感染者数の増える勢いが強まっているのは、なぜなのでしょう。 自粛疲れという人もいますが、慣れが生じてしまっているのでしょうか。 情報を正しく得て、自分のことだけでなく、周囲のことも考えて行動したいと思います。

 最近の新型コロナウイルスに関する海外の総説(NEJM)では、  新型コロナウイルスに罹患した人の 8 割は軽症、 2 割が重症。 死亡率は 2~3 %。 高齢者、男性、基礎疾患(脳血管障害、糖尿病、肥満、免疫不全)のある人で、危険性が高いとされています。